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07/23
マー君いなくても駒苫V5
駒大苫小牧が函館工を15-0で破り、5年連続7度目の甲子園出場を決めた。応援に駆けつけた昨年のエース田中将大(現楽天)の見守る中、層の厚さで南北海道を勝ち抜いた。継投で勝ち上がってきたチームカラー通り、決勝も対馬直樹-久田良太-片山孝平(いずれも3年)で完封リレー。攻撃ではベンチ入り18人中17人が出場し、18安打15得点で決勝の最多得点を更新した。優勝、優勝、準優勝と3年連続で甲子園を沸かせた強豪は、史上初の4年連続決勝進出へ、第1関門を圧倒的な力で通過した。

 9回から登板した3番手の片山が、函館工の最後の打者から見逃し三振を奪ってゲームセット。その瞬間、駒大苫小牧の先発9人のうちグラウンドに立っていたのは4人だけだった。
 体を反転させて両腕を広げる片山に、真っ先に飛びついたのは8回表から一塁を守った五十嵐だった。不動の二遊間コンビ、小鹿と本多が続く。ベンチに下がっていた途中交代の8選手と樋渡は、マウンド目掛けて全速力で走った。18選手は体をぶつけ合いながら人さし指を空へ向かって突き上げた。

 昨夏の甲子園メンバーは対馬と菊地だけ。中学時代に全国経験を持つ選手は多いが、ドラフト1巡目でプロ4球団が指名した田中や、全日本高校選抜の本間(現亜大)のような突出した柱はいない。そんなチームだからこそ、香田誉士史監督(36)は「(昨秋の地区)2回戦コールド負けをひっくり返そうと思ってやってきた。(選手は)優勝で自信が持てたのではないか」と喜んだ。過去のチームと比較され続けた選手は、敗戦を糧にのし上がってきた。

 昨秋の室蘭地区2回戦で北海道栄に1-8で7回コールド負けした。試合後、香田監督は選手に問いかけた。「中途半端にやるならコールド負けが3点差になるくらいだ。勝つために必死にやるのか、やらないのか」。全国初制覇にあこがれて入学し、3年連続の甲子園決勝を見てきた世代。敗戦の悔しさを知らず、勝利に対する飢えや執念が不足していた。

 柱の不在を選手層を厚くして埋めることで再び頂点を目指した。不足していた試合経験を補うため、冬も雪上で紅白戦を重ねた。代名詞となった雪上ノックを超える実戦練習。手を抜いたプレーが出ると「秋2回戦で負けてるんだ、しかもコールドだぞ」とゲキが飛んだ。100メートル11秒00の小鹿をはじめ、スピードある選手を生かすために走塁に力を入れた。

 投手陣も互いに競い合い、絶対的なエースに匹敵する力をつけた。田中を擁した昨年、南大会優勝までの7試合で防御率は0・36だった。7試合中5試合を継投で勝ち上がった今年も0・61。対馬は「誰かの失敗を願うのではなく、仲良くも負けられないという気持ちでやってきた」と話す。決勝でも香田監督の「黄信号で代えてやればショックも少なくできる」という方針のもと、対馬-久田-片山のリレーで付け入るすきを与えなかった。

 レギュラーは固定されず、打線は日替わり、投手の交代順もバラバラ。常に競い合うことで、レベルアップし続けた。この夏の登録メンバー提出の際、香田監督は「(登録を)25人くらいにしてほしい」と思ったという。この日も18人中17人が出場。8回に代打高橋が本塁打を放つなど交代選手も活躍し、18安打15得点。南北海道の決勝記録を塗り替えた。

 さあ、5年連続の甲子園。昨夏の忘れ物を取りに行く旅は、これからが本番になる。林主将は「南北海道で1試合1試合成長したチーム。甲子園でも同じように成長していって勝てれば」と口元を引き締めた。深紅の大優勝旗奪還を目指す戦いは、8月8日に幕を開ける。
(日刊スポーツ 北海道版 引用)
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